第2事件 / 2026年11月

閉店写真館
の二枚目

封をした展示ケースの中にある写真が、家族の控えと少しだけ違う。閉店した写真館に残る二枚の写真から、消えた十二枚と撮影者の名前を追う。

11月1日—30日 全30話 約2〜3分
2026 / 11記録 04 / 30

記録 04

十七番と十八番

ここまでの事件

二枚の違いは撮影時の動きらしい。写真館には同じ家族名のネガ袋が二つ残っていた。

立花はネガへ触れず、下から光を当てて見せた。

小さな像の明暗は反転している。それでも、十七番の足元には梨があり、十八番にはないことが分かった。家族の控えは十七番。展示写真は十八番から作られていた。

「修正ではなく、隣の一枚です」

澄は作業記録に二つの番号を書いた。二枚とも本物の撮影だった。偽物という言葉だけでは、今回の問題を説明できない。

箱には、過去に十二枚をまとめて展示したときの小冊子があった。七枚目の小さな掲載写真は、梨が落ちた十七番。現在の展示とは違う。

冊子の表紙には『三枝康雄写真展 二〇〇六年』とある。寄贈作品の一覧も、この展示の十二枚を引き継ぐと指定していた。

澄は修平に画像を送った。返事は、『額に入れる前に、父が別の方を選び直したのかもしれない』だった。

康雄が亡くなったのは二〇一九年。今回の額装は十月二十七日だ。選び直しがいつ行われたのか、説明はまだなかった。

展示室は十二枚と保管資料の処分を止めるよう書面で伝え、取引先にも所在確認を始めた。箱の底には、今年の印画紙の納品書が折られていた。

今日判明したこと

  • 家族の控えは十七番、展示写真は十八番のネガから作られた。
  • 二〇〇六年の連作では、梨のある十七番が使われていた。
  • 古いネガの箱に、今年の印画紙の納品書がある。

読者推理

現時点で最も疑うべき説明はどれでしょう。

投票結果によって本編の結末は変わりません。