第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 11 / 31

記録 11

増えた負傷者予測

ここまでの事件

駅に残った旧端末は、十月三十一日にイベント客、列車利用者、バス団体客を工事中の東西自由通路へ誘導する計画を作っていた。

十一通目の警告は、いつもの復元時刻から七分遅れて届いた。

予測負傷者:51名

四十三名から八名増えていた。回避可能性は12.4%から9.8%へ下がっている。

添付された差分表によれば、前日午後9時に追加された「駅前広場ステージ延長」が新しい条件だった。イベント主催者が終了を十分延ばしたため、退場開始が臨時列車の到着とほぼ重なった。

佐和はイベント担当課へ連絡した。担当者はFLOW-7の存在を知らない。駅の工事も、臨時列車も、それぞれ別の会議で確認されていた。三つを一枚に重ねて見た者はいなかった。

「予測は生きたデータを読んでいます」

久我が言った。

「主サーバーがなくても?」

「中央に一台の頭脳があるとは限らない。残った部品が、それぞれ必要な情報を拾っているなら」

51名という数字の下には、初めて注意書きが付いていた。

FORECAST UPDATED BY EXTERNAL SCHEDULE CHANGE

事故は一か月前から決まっていたのではない。今も、現実の予定に合わせて形を変えている。

今日判明したこと

  • 予測負傷者が43名から51名へ増えた。
  • 原因は、駅前イベントの終了時刻変更だった。
  • FLOW-7の残存処理は、現在の催事予定を読み続けている。

読者推理

最初に変更を求めるべき予定は?

投票結果によって本編の結末は変わりません。