記録 30
残された7名
ほとんどの危険条件は取り除かれたが、所在不明の旧案内ノード04だけが応答を続けている。予測負傷者は7名から下がらない。
最終予測には、初めて被害の発生位置が添付されていた。
東西自由通路の中央ではない。西口側の入口、旧団体待合室から二十メートル離れた場所に赤い印がある。
久我は過去の改装図を床に広げた。待合室の案内盤は撤去されている。ただし表示を制御する古い中継機は、駅員通路の分電盤付近へ移設された記録があった。移設先の欄は空白。
「表示盤を捨てたから、端末も消えたと思ったんでしょう」
案内盤がなくても、古い中継機は別の表示先へ信号を出せる。十月九日に確認した駅前バス表示への線が、その手掛かりだった。
夜間点検でバス表示の電源を落とすと、ノード04の応答も消えた。しかし表示を再起動すると、十数秒後に復帰する。古い中継機はバス表示の中ではなく、途中のどこかにある。
明日の運行を考えれば、駅前の全電源を落としたままにはできない。配線を一本ずつ追う時間もない。
午前0時までに見つからなければ、当日はバス表示を使わず人員で案内することが決まった。それでも、端末が別の表示先を持っていれば危険は残る。
午後10時26分の予測は変わらない。
回避可能性:84.7%
明日、午後6時42分まで二十時間十六分。
今日判明したこと
- 残る危険は西口側の旧団体案内系統に集中している。
- ノード04は駅前バス表示と連動するが、端末の実物は見つかっていない。
- 当日は表示を使わない対策を取るが、別の出力先が残る可能性がある。
読者推理
事故は完全に防げると思いますか。
投票結果によって本編の結末は変わりません。