第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 23 / 31

記録 23

野々村が残した仕掛け

ここまでの事件

毎日の記録は、野々村が一年前に準備した段階開示ファイルとみられる。危険が消えなければ、最終日に全証拠が外部へ送られる。

音声メモの後半が開いた。

私が退職した後、問題が解決したか確認する方法がありません。会社の設備も、市の本番環境も使わず、非常時用バックアップに監視処理だけを残します。

野々村は、自分の仕掛けが正当な手続きではないことも認めていた。

無断で残す以上、私も責任を負います。ただ、今すぐ資料を公開すれば、原因調査より先にシステムを隠される可能性がある。危険条件が再び揃ったとき、関係者へ一日ずつ記録を戻します。

三十一日に設定した理由は、前年の事故からちょうど一年後だからではなかった。FLOW-7の旧ルールが保持する予定の有効期限が、二年目の十一月一日に切り替わる。更新前に欠陥を確認できる最後の月が十月だった。

最後に、野々村はこう話した。

警告をAIからの言葉だと思わないでください。これは私が書いたものです。計算は機械にさせましたが、知らせると決めたのは人間です。

秋山へ届いた匿名資料も、送信先一覧に含まれていた。野々村本人が今も送っているのではない。彼が一年前に選んだ宛先だった。

今日判明したこと

  • 警告は野々村が残した内部告発用安全装置だった。
  • 機械が自発的に助けを求めていたわけではない。
  • 十月は、古いルールが更新される前に欠陥を確認できる最後の期間だった。

読者推理

野々村の行動をどう評価しますか。

投票結果によって本編の結末は変わりません。