第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 07 / 31

記録 07

退職者の職員番号

ここまでの事件

野々村は、五つの接続先に自動処理が残る危険を警告していた。しかし全撤去の申請は実施されなかった。

f7_watchの実行記録には、毎朝同じ番号が残っていた。

7N-041

北辰データシステムズが市の作業者へ発行していた作業者IDで、利用者は野々村遼。退職日に無効化されたはずだった。

記録上、その番号は午前4時12分に復旧領域を開き、当日のファイルをメールへ添付し、三十秒後に退出している。人間が画面を操作するには正確すぎる間隔だった。

市の担当者は「番号を盗用した自動侵入」と疑った。秋山は野々村本人の生存確認を始めた。元同僚によれば、彼は退職後に転居し、技術者向けの公開プロフィールも削除している。ただし死亡届も失踪届もなく、家族とは連絡が取れているという。

佐和は番号の発行記録を見直した。備考欄に小さな記載がある。

定期処理所有者として継承

職員番号が使われているのではない。その番号を「所有者」として登録した自動処理が、失効後も走っている可能性があった。

直後、復旧領域の監視画面に次回の実行予約が現れた。

2026-10-08 04:12 / RECOVERY FILE 08

停止命令を出せば、明日の証拠は届かない。止めなければ、正体不明の処理を市の設備で動かし続けることになる。

佐和は停止申請の画面を開いたまま、決裁ボタンを押せなかった。

今日判明したこと

  • 警告処理は、野々村の失効済み作業者IDを所有者として実行されている。
  • 野々村本人が毎朝操作している可能性は低い。
  • 次の記録も、すでに同時刻に実行予約されている。

読者推理

佐和は警告処理を止めるべきだと思いますか。

投票結果によって本編の結末は変わりません。