記録 28
正式に認められた危険
証拠は警察、消防、鉄道会社へ提出された。十二時間以内に動きがなければ、秋山の記事が公開される。
期限の二十八分前、朝凪中央駅の大会議室に関係者が集まった。
鉄道会社の安全統括、警察署警備課、消防本部、市の危機管理課、イベント主催者、バス事業者。榊原も市の代表として出席した。
久我が一年前の映像と案内系統の比較試験を説明した。佐和は、予測値そのものではなく、五つの案内が同時に同じ通路を指す事実を示した。
鉄道会社の安全統括は言った。
「AIの予測を信用したのではありません。この導線条件を危険と判断します」
その言葉で、対策は正式なものになった。
イベント終了は三十分前倒し。臨時列車は到着ホームを変更。団体バスは西口発へ移す。東西自由通路は一方通行にし、アプリ通知を停止する。駅の新型案内板は固定表示へ切り替える。
秋山は公開予約を解除した。ただし、一年前の事故と廃止処理について第三者調査を始めることを、市が当日中に発表する条件を付けた。
会議終了後、監視処理が更新した予測は11名。
51名から大きく下がった。それでも、まだ二桁だった。
今日判明したこと
- 現場機関はAIの数字ではなく、実際の導線条件を根拠に危険を認定した。
- 催事、列車、バス、通路、アプリ、案内板の対策が決まった。
- 予測負傷者は51名から11名へ低下した。
読者推理
残る11名の原因は何だと思いますか。
投票結果によって本編の結末は変わりません。