第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 28 / 31

記録 28

正式に認められた危険

ここまでの事件

証拠は警察、消防、鉄道会社へ提出された。十二時間以内に動きがなければ、秋山の記事が公開される。

期限の二十八分前、朝凪中央駅の大会議室に関係者が集まった。

鉄道会社の安全統括、警察署警備課、消防本部、市の危機管理課、イベント主催者、バス事業者。榊原も市の代表として出席した。

久我が一年前の映像と案内系統の比較試験を説明した。佐和は、予測値そのものではなく、五つの案内が同時に同じ通路を指す事実を示した。

鉄道会社の安全統括は言った。

「AIの予測を信用したのではありません。この導線条件を危険と判断します」

その言葉で、対策は正式なものになった。

イベント終了は三十分前倒し。臨時列車は到着ホームを変更。団体バスは西口発へ移す。東西自由通路は一方通行にし、アプリ通知を停止する。駅の新型案内板は固定表示へ切り替える。

秋山は公開予約を解除した。ただし、一年前の事故と廃止処理について第三者調査を始めることを、市が当日中に発表する条件を付けた。

会議終了後、監視処理が更新した予測は11名。

51名から大きく下がった。それでも、まだ二桁だった。

今日判明したこと

  • 現場機関はAIの数字ではなく、実際の導線条件を根拠に危険を認定した。
  • 催事、列車、バス、通路、アプリ、案内板の対策が決まった。
  • 予測負傷者は51名から11名へ低下した。

読者推理

残る11名の原因は何だと思いますか。

投票結果によって本編の結末は変わりません。