第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 22 / 31

記録 22

用意されていた31件

ここまでの事件

十月三十一日午後6時台、五つのサービスが別々の理由で同じ通路へ人を誘導する。18時42分は、その競合が最大になる時刻だった。

非常時用バックアップの保全コピーが完成し、佐和たちはf7_watchのファイル一覧を確認できるようになった。

そこには、最初から三十一件の復元ファイルがあった。

RECOVERY_01からRECOVERY_31。作成日はすべて前年十月三十一日。内容は封印され、日付条件を満たしたファイルだけが開く。毎日新しい証拠を見つけているのではなく、一年前に並べられた証拠を順番に見せていた。

ただし、警告文と予測人数だけは別だった。現在の催事、工事、設備応答を読み、毎朝計算し直している。

一覧には三十一件以外に、EXIT_CONDITIONという小さな設定ファイルがあった。

危険度が基準未満となった場合、以後の開示を終了する。

最終日まで危険が残る場合、全記録を公開先へ送信する。

公開先の欄は暗号化されている。

秋山は画面を見て言った。

「私たちが止められなければ、三十一日に全部外へ出る」

これは謎解きのための連載ではない。市に一か月の猶予を与える、時限式の内部告発だった。

今日判明したこと

  • 三十一件の証拠は、一年前に作成され段階的に開くよう設定されていた。
  • 現在の状況から更新されるのは、警告文と予測値だけだった。
  • 危険を解消できなければ、最終日に全記録が外部公開される。

読者推理

野々村が一日一件に分けた理由は?

投票結果によって本編の結末は変わりません。