記録 22
用意されていた31件
十月三十一日午後6時台、五つのサービスが別々の理由で同じ通路へ人を誘導する。18時42分は、その競合が最大になる時刻だった。
非常時用バックアップの保全コピーが完成し、佐和たちはf7_watchのファイル一覧を確認できるようになった。
そこには、最初から三十一件の復元ファイルがあった。
RECOVERY_01からRECOVERY_31。作成日はすべて前年十月三十一日。内容は封印され、日付条件を満たしたファイルだけが開く。毎日新しい証拠を見つけているのではなく、一年前に並べられた証拠を順番に見せていた。
ただし、警告文と予測人数だけは別だった。現在の催事、工事、設備応答を読み、毎朝計算し直している。
一覧には三十一件以外に、EXIT_CONDITIONという小さな設定ファイルがあった。
危険度が基準未満となった場合、以後の開示を終了する。
最終日まで危険が残る場合、全記録を公開先へ送信する。
公開先の欄は暗号化されている。
秋山は画面を見て言った。
「私たちが止められなければ、三十一日に全部外へ出る」
これは謎解きのための連載ではない。市に一か月の猶予を与える、時限式の内部告発だった。
今日判明したこと
- 三十一件の証拠は、一年前に作成され段階的に開くよう設定されていた。
- 現在の状況から更新されるのは、警告文と予測値だけだった。
- 危険を解消できなければ、最終日に全記録が外部公開される。
読者推理
野々村が一日一件に分けた理由は?
投票結果によって本編の結末は変わりません。