第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 18 / 31

記録 18

主サーバー停止で解決したのか

ここまでの事件

一年前の軽傷事故は正式報告から消され、市と受託会社の間で責任の所在も消えていた。

榊原征一は、正式な聞き取りに応じた。

佐和、秋山、久我の三人に対し、彼は録音を条件に自分から示した。後で発言の一部だけを使われることを警戒しているようだった。

「危険を知っていたのですか」

秋山が聞いた。

「軽傷者が出たことは知っていた。原因は確定していなかった」

「野々村さんは全接続先の撤去を求めています」

「その申請も読んだ。だから中央の計算サーバーを停止した。命令を作る本体がなくなれば、末端は動かないという説明を受けた」

「誰から?」

榊原は数秒黙った。

「会社の管理職だ。野々村ではない」

失敗を公表すれば、国の補助事業の返還、議会調査、他のスマートシティ事業の停止が予想された。榊原は、危険な機能を早く止めるためにも、問題を広げない方がいいと判断したという。

「隠したのではなく、終わらせようとした」

「でも、終わっていません」

佐和が言った。

榊原は初めて目をそらした。

聞き取りの最後、彼は一枚の古いメールを差し出した。北辰データシステムズからの停止完了報告だった。末尾に、小さく条件が付いている。

市および接続事業者が管理する端末は、本作業の対象外とする。

今日判明したこと

  • 榊原は危険を認識していたが、主サーバー停止で解決すると判断した。
  • 全接続先の確認より、事業を早く静かに終わらせることを優先した。
  • 受託会社の停止作業は、市や駅が管理する端末を対象外としていた。

読者推理

榊原の判断をどう評価しますか。

投票結果によって本編の結末は変わりません。