第1事件 / 2026年10月

10月31日の
予測

停止したはずのシステムが、まだ起きていない事故を知らせた。31日間で記録をたどる、現実にありそうな技術ミステリー。

10月1日—31日 全31話 約3〜5分
OCTOBER 2026記録 14 / 31

記録 14

行動誘導最適化

ここまでの事件

FLOW-7には、人の流れを案内で変え、その結果を再予測する「行動調整層」があった。しかし正式な変更契約は見つからなかった。

秋山が見つけたのは、契約書本体ではなく、月次請求書に付いた作業明細だった。

追加検証:行動誘導最適化 八百四十時間

金額は「予測精度改善業務」の中にまとめられている。市の契約一覧で検索しても出てこないが、支払いは行われていた。

さらに、北辰データシステムズ側の作業目的にはこうある。

個別サービスの案内を協調させ、利用者の選択を望ましい経路へ分散する。

「利用者の選択を変える」と明記されていた。

佐和は榊原へ面会を求めた。現在は政策調整監となった彼は、資料の出所を最初に尋ね、内容には答えなかった。

「正式な調査に切り替えるべきです」

「まだ事故は起きていない」

「起きる可能性を、システム自身が警告しています」

「廃止済みのシステムを『自身』などと呼ぶな。それでは怪談になる」

言い方は冷静だった。だが榊原は、行動誘導最適化という文字を見た瞬間だけ、書類を伏せた。

面会後、佐和の庁内アカウントからFLOW-7関連フォルダへの権限が外された。

今日判明したこと

  • 「行動誘導最適化」は実際に発注され、代金も支払われていた。
  • 契約上は予測精度改善に含められ、市民や議会から見えにくくなっていた。
  • 榊原は資料を見た後、佐和の閲覧権限を止めた。

読者推理

榊原が権限を止めた理由は?

投票結果によって本編の結末は変わりません。